2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

科学史研究53号~56号

『科学史研究』53号には板倉聖宣さんの論文は出ていません。広重徹氏と辻哲夫氏の「板倉氏の主張するプライオリティーについて」という板倉聖宣さんが第51号の「古典力学と電磁気学の成立過程の比較研究」という論文で「場の概念は・・・静電感応の考察…

構造改良4、5

『構造改良』はその後その合本版も出ました。

構造改良1~3

『構造改良』という雑誌は1970年代に牧衷さんたちが中心になって創刊した雑誌です。流行らなかったそうです。Structural Reformを構造改革と訳すのが普通ですが、構造改良と訳すべきだという主張です。大学生のときにこの雑誌を目にしたことがあったよう…

科学的なものの見方考え方3

4.科学をどうとらえるか。 ──真理であるかどうかの判定を自分でできることの重要性── さて,以上のように,いろいろな科学不信,理科嫌いが生まれる原因が,「科学的とはどういうことか」についての誤解から生じているとしたら,われわれは,科学というも…

科学的なものの見方考え方2

3.これまでの理科教育の根本的誤り 以上みてきたように,これまでの《科学的なものの見方・考え方》を教えようとする授業の多くは,教師の意図に反して,結果として大量の科学嫌いな生徒,大人を生み出した。 一方,生活経験をもとにして教えるべきとする…

科学的なものの見方考え方1

長野県教文会議で発表した報告です。 以下報告 教科の中で科学的なものの見方考え方をどう教えるか ───理科教育の中で─── 0.はじめに 【理科教育史の中に,「科学的なものの見方考え方」を教える授業はどのように位置づけられるか】 ◆理科教育史概説──理科…

夕日が赤く見えるのはなぜか

NHK週刊こどもニュースの番組で「夕日が赤く見えるのはなぜか」という質問があり、その答がおかしいのではないかと投稿しました。 電話がかかってきて、「小学生にもわかるように説明しようとするとこう説明するのがよい。」 と言っていました。私は苦情…

科学史研究49号~52号

『科学史研究』第49号には板倉聖宣さんの「電磁気学の骨組み(Ⅱ)──古典力学と電磁気学の成立過程の比較研究──」が掲載されています。 この論文で板倉聖宣さんは「マックスウェルの電磁気学はニュートン力学が完成しているというのと同じ意味で完成している、…

炭酸水の温度は下がるか?

生徒の質問からやってみた実験です。指数が表示できないので、判断して読んでください。 「1.013×105N/m2」は「1.013×10の5乗ニュートン/メートル2乗」と言う具合に 以下論文 炭酸水をかきまわして泡を出すと炭酸水の温度は下がるか? 1991年7月17…

熱分野問題タイプ別解き方

指数、分数式がうまく表示できませんでした。生徒に配布したプリントです。 熱分野問題タイプ別解き方 問題 解き方 熱を求めよ ①Q=mctを使う。 ②熱の仕事当量 W=JQ を使う。 ③熱力学第一法則 ΔU=Q+W を使う。 ΔUはΔU=─nRΔTから求める。 …

静力学の基本法則

静力学の基本法則 静力学はかつては高校で教えられていました。しかし、その後静力学は中学校で教えられることになり、高校の教科書からは静力学はなくなりました。ところが、中学生には静力学が難しすぎるということになり、中学の教科書から静力学が消えま…

運動方程式の立て方

生徒に配布したプリントです。 以下プリント 運動方程式の立て方 ① どの物体に注目するのかはっきりさせる。 ② その物体の《受けている力》をすべて挙げる。 その物体の〈出している力〉ではない。出している力は運動方程式には無関係である。 また、力を1…

物理学習法

1995年に生徒に向けて書いた物理の学習法です。 以下資料 物理の学習法 ◆物理の特徴──原理・原則的な考え方 物理ににはごくわずかの概念,法則,原理が出てくるだけです。そして,その原理・原則を使うことによっていろいろな自然の謎を解明し,未知の自…

これからの高校教育のあり方を考える(紀要掲載原稿)2

哲学的関心から近代科学は生まれた その研究の方針を立てるのに大きなヒントを与えてくれるのは、近代科学の成立に関わった科学者たちの問題意識である。 今日の高校生が楽しく学ぶことが出来る条件は、近代科学の成立時の科学の姿を再発見することによって…

これからの高校教育のあり方を考える(紀要掲載原稿)1

「高校物理教育と仮説実験授業」をこのブログで発表しましたが、その発表を高校教育研究会の紀要に掲載してもらいました。その掲載原稿を再録します。 以下掲載原稿 これからの高校教育のあり方を考える ──物理の授業に仮説実験授業を取り入れて はじめに 物…

科学は真理の塊か?――英語の教材の内容の理解のために――

U高校の英語の教材に物理学の内容を扱ったものがあった。英語科の先生からその内容について解説してくれと頼まれて、急遽書いた文章です。 科学は真理の塊か?――英語の教材の内容の理解のために―― アインシュタイン 1879年~1955年 1905年 アイ…

3学期制は,生徒の成績分布にどう影響を与えたか

次のレポートは1994年にU高校で二学期制にすべきか、三学期制にすべきかが議論されていたときに、資料として書いたものです。資料ではグラフが入っていましたが、ブログに掲載するにはどうしたらいいかわからず、やむなくグラフなしです。 [リポートの…

なぜ動物を背骨のあるなしで分類するのか

このブログにかつて掲載した「ニュートン力学は世界をどう分類しているか」の付論として書いたものの、発表しなかった未完の論文です。この部分だけでも読んでもらう価値ありと判断して掲載します。 こにに書かれている内容は千葉県の生物の先生だった延原肇…

明礬についての研究報告

板倉聖宣さんの明礬についての講演を聞いて触発されて、当時赴任していた長野県戸隠村の崖から明礬が浸みだしているのを発見。戸隠村の化石館の学芸員田辺先生の話を聞くことも出来て、感激して板倉聖宣さんに立て続けに手紙を出しました。その時出した手紙…

地球の水循環が起こる理由

1999年8月に書いた小論です。その後仮説実験授業研究会の大会で発表し、その分科会報告をこのブログにも掲載してあります。水の分子式をH2Oとしていますが、2の字を小さくすることが出来ませんでした。また累乗の小さい数字を肩に乗せる記載もできませ…

低気圧はなぜ上昇気流となるか

この小論は、勝木渥著『物理学に基づく環境の基礎理論』を読んでいる中で長年の疑問が解けたので書いた文です。ある人に話したら、昔から低気圧が上昇気流になる理由はそこにあると思っていたとごく当たり前のことを今頃気がついたのかとあきれられた感じで…

断熱膨張を考えるための問題

1999年に以下のような問題を考え、上田仮説サークルで解答を募集しました。しかし、解答してくれる人は現れませんでした。 次の問題をどう考えるか考えを聞かせていただければうれしいです。 断熱膨張を考えるための問題 1999年11月27日 [問題…

勝木渥著『物理学に基づく環境の基礎理論』の書評

物理教育学会の機関誌『物理教育』に掲載してもらった書評です。書評としてだけでなく、物理教育論ともなっていると自負しています。勝木先生はこの書評に出て来る「この本を読む秘訣は数式を読まないことにある。」というところに注目して「至言だ。」と言…

四条畷学園小学校公開授業および研究会参加記2

板倉聖宣講演 板倉講演は、教育改革の話である。 「私たちの生き方が変わらなければ教育は変わらない」 教育を何とかしようとしていろいろ研究していくと、とても教育研究の枠には収まらないことがはっきりしてきた。学問的に確かなことがはっきりしていて、…

四条畷学園小学校公開授業および研究会参加記1

1999年10月に四条畷学園小学校で開かれた仮説実験授業の研究会に参加したときの記録です。 私が初めて仮説実験授業に巡り会ったのは1973年の夏、初めて研究会に参加したのが四条畷学園小学校での仮説実験授業入門講座でした。26年ぶりに参加した…

牧衷さんの談話断片──映画・修正主義・ゼロ金利

2000年8月21日に牧衷さんに長野県戸隠村越水ロッヂに泊まってもらったときの雑談です。テープに取ったものではなく、記憶を再現しようとしたものですので、そのつもりでお読みください。 以下記録 ◆依頼者に独裁的に決めることが出来る人がいないと映…

科学史研究45~48

第45号には板倉聖宣さんの「古典力学の成立過程・その骨組みⅡ──古典力学と電磁気学の成立過程の比較研究」 第46号には「古典力学の成立過程・その骨組みⅢ──古典力学と電磁気学の成立過程の比較研究」 第47号には「電磁気学史の骨組Ⅰ──古典力学と電磁気…

仮説実験授業成立史

このところ仮説実験授業成立史についての研究結果や資料を紹介していますが、いかがでしょうか。今後も順次紹介していきます。

国立教育研究所紀要(ばねと力)

板倉聖宣さんが仮説実験授業をを国立教育研究所紀要に発表したときのものです。昭和42年2月。つまり、1967年2月。私が高校2年生のときに発行されました。仮説実験授業の提唱が1963年の秋ですからそれから3年半の後です。当時苦労してこの紀要…

国立教育研究所紀要

板倉聖宣さんの論文が国立教育研究所紀要に掲載されて、研究所に紀要を入手したいという問い合わせがたくさん来たそうです。「紀要を希望者に売ったらどうだろう。」と考えた人がいて、実際に売りに出されたそうです。 さて、その結果どういうことになったで…