内外教育通信

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仮説実験授業を提唱した最初の公的な活字になった文章は『理科教室』という雑誌に書いた文章だと思いますが、その次に活字になったのは「内外教育通信」に載った文章だと思います。残念ながら内外教育通信の板倉聖宣さんの論文が掲載された号は入手できていませんが、国会図書館でそのコピーは入手しました。この論文はその後『科学と仮説』季節社に収録されましたが、「内外教育通信」に掲載された文章と『科学と仮説』に収録された文章は微妙なところで異なっています。『科学と仮説』の掲載の論文の方が踏み込んで思い切って主張しています。「内外教育通信」の論文は慎重に敵も納得せざるを得ない言い方をしています。
 論文は「時事通信内外教育版昭和39年2月18日号」(第1527号)と「2月21日号」(1528号)の2回にに分けて連載されました。
 1回目の編集部がつけたタイトルは【好きで、実力つく理科教育「仮説実験授業」方式の理論(上)】2回目は【理科教育の効率高める?「仮説実験授業」方式の実際】
 板倉聖宣さんはその後「仮説実験授業は仮説実験授業方式ではない」と言っています。それでも初めて聞く人は仮説実験授業方式と思ってしまう方が普通かも知れません。また、この「内外教育通信」の板倉聖宣さんの論文にも「仮説実験授業方式を作り出した」と書いてあるのです。さらにまた、この授業を「新しい理科教育」と言っています。その後板倉聖宣さんは「仮説実験授業は理科教育でなく、科学教育だ」と言うようになりましたが、この時点では理科教育の一種として提唱しているのです。
 論文を読んでみると明確な主張がたいへん的確に書かれているのに驚きます。硬い文章ですが、名文だと思います。