物理学史研究4

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『物理学史研究4』は1959年5月9日に発行されています。
編集後記で板倉聖宣さんは第4号がうすくなったわけを書いています。カンパは5000円、板倉聖宣さんが2500円、菅井準一さんが2500円計5000円です。これまでのトータルは34300円。多分出版継続できるためのギリギリだったのではないでしょうか。
この号で板倉聖宣さんは「ガリレオはいかにしてその力学を建設したか──誰から何を学び何が独創的だったか──」という論文を掲載しています。この論文で板倉聖宣さんは二つの主張をしています。ガリレオは独創的な科学者だったから、誰からも何も学ばなかったという思いこみを否定しています。独創的な科学者はよく模倣するということを主張しているのです。その一方で、ガリレオの主張は既に主張されていたことの繰り返しだという考えを否定しています。模倣していたことが独創的でなかったということではないことを主張しています。この頃からすでに模倣と独創の矛盾論が確立していたのでした。この号にも広重徹氏の論文も掲載されています。
私は板倉聖宣さんのこの「ガリレオはいかにしてその力学を建設したか──誰から何を学び何が独創的だったか──」という論文が非常に重要な論文だと考えています。