『物理学史研究3』が発行されたのは1959年2月15日でした。第2号の4ヶ月後です。
さて、この『物理学史研究3』の編集後記には『物理学史研究1』と『物理学史研究2』の定価が書いてあります。それぞれいくらくらいだったのでしょう。
適当な選択肢が思いつきません。いきなり実験結果です。
第1号は100円、第2号は130円でした。
編集後記の執筆者はやはり板倉聖宣さん。編集後記には物理学史文献紹介の会の案内が掲載されています。1回目は板倉聖宣さんによるエールステッドの発見に関するしつこい(?)誤りについてです。順次、広重徹、渡辺(正雄?)、青木氏が発表する予定となっています。また、板倉聖宣氏が博士コースを卒業し研究生となっていること、どこか就職口がないかなどという記事があります。
さて、第2号以後のカンパはいくら位集まったでしょうか。
3700円でした。1号~3号のトータルは2万9300円です。
内容
板倉聖宣さんの「ガリレイの力学の成り立ちその一静力学から動力学へ」という板倉聖宣訳編が掲載されています。初期の落下法則、『機械学』からのモメントとは何か、ブルーノの慣性の力としてのヴィス・インプレッサなどが載っています。ガリレイの運動についての論はヒッパルコスのものとおなじであったが、その後それをガリレイ自身が否定し、ビュリダンの考えに基づいて議論を立てるようになった。その後、ビュリダンの考えも否定し真空中で同一の速度(加速度)を持つと主張するようになると解説している。