牧衷連続講座記録集Ⅷの目次紹介

牧衷連続講座記録集Ⅷの紹介をします。上田仮説出版から出している牧衷さんの本はこれまでのところⅠ~Ⅷの8冊です。9集以降はこれから順次刊行します。

人間関係論と仮説実験授業目次

1 経営学と人間関係
 人間関係論 ── pop philosophyのすすめ    中原しげる 1
牧衷『運動論いろは』はデール・カーネギー著『人を動かす』の牧衷版である。学生時代には経営学を学ぶ意義に疑問を持っていた中原さんが牧衷さんの『運動論いろは』の色眼鏡を通して見ることでカーネギーを再評価するにいたった経過を述べる。
 1対多の人間関係 ── 教室におけるしつけの研究    牧衷    25
生徒を叱ることが出来ない教員がふえている。生徒は家庭での行儀作法しか知らず,その行儀作法を教室に持ち込むことも少なくない。教室での生徒のしつけ方,言葉づかいの教育のしかたを論じ,叱るときは昔のことを蒸し返さず,結果主義で行く。こうしたノウハウを身につければ,生徒と教師の人間関係もうまく行く。
 企業管理職から見た学校の現状とこれから  牧衷 37
学校に企業の目標管理の手法が取り入れられようとしている。新聞記者は「学校の先生は生ぬるいから,企業の目標管理の手法でしゃんとさせなければダメだ」と考えているようだが,企業は学校よりずっと人間を大切にしている。まともな企業の目標管理では,過大な数値目標を立てたりしない。実現可能なものだけを目標にする。

2 歴史学研究法
 明治天皇制の成立 ── マキ・チュウ歴史学研究法    牧衷    66
フランス革命史を調べてみると民主主義は一つの文化であり,社会的内実が整わなければ本当の民主主義は成立しないことがわかる。今のイラクには民主主義が成立するだけの社会的内実はない。選挙をしたら宗教国家・反米政府が出来るだろう。幕末の日本に市民革命による共和国日本の創出という選択肢はあっただろうか。当時の日本には民主主義が成立するだけの社会的内実はなかった。日本の取りうる選択肢は
天皇をかついで廃藩置県勝海舟大久保利通路線)
天皇をかついで諸藩連合マグナカルタ体制へ(島津久光山内容堂路線)
3 幕府による全国制圧で廃藩置県小栗上野介路線)
の3つだけだった。
 明治天皇制の成立こぼれ話 牧衷 99
 自分よりものを知っている奴大嫌い,金融政策で経済の統御が出来るか,婦人参政権運動の歴史など
 読書案内 ── 仮説実験授業会の歴史と文献の読み方 牧衷 105
仮説実験授業についての文献はすでに歴史的文献になっている。その本が書かれたときの歴史的状況を知らずに読むととんでもない誤解をしてしまう。仮説実験授業研究会の歴史とその文献の読み方を論ずる。
日本人の社会の見方考え方の問題点       板倉聖宣 127
社会科の教科書の問題点,大臣の発言と韓国・朝鮮,同和教育の研究の進展。サイエンスシアター反省会での話を再録