「新指導要領で粒子概念が出て来たら、どの理科の研究会に行っても「粒子概念を重視する」という話が出ている。粒子概念を無理にこじつけたような授業記録も出ていて、ちょっとヘンな状況である。」という意見がありました。
[私の考え]
新指導要領が粒子概念重視となったのは進歩と言える。しかし、「なぜ粒子概念が大切なのか」についての検討が不可欠である。粒子概念を重視するということの教育的意義はどこにあるのだろうか。
仮説実験授業ではこれまでも原子・分子概念を重視して教えてきた。「粒子概念」の中に「原子・分子概念」は含まれる。だから、仮説実験授業をやれば新指導要領準拠と言うことも出来ないわけではない。それでは私たちは仮説実験授業をやって「粒子概念をきちんと教えている」と主張していいのだろうか。主張していけないことはないが、仮説実験授業の原子・分子概念は粒子概念よりずっと易しく、より役に立つ。
だから私たちはこれまでどおり仮説実験授業で原子・分子を教えていくとともに、粒子概念重視と称するもののその意義を把握していないと思われる授業の問題点を解明していく必要があると思われる。
仮説実験授業提唱の初期から原子論的自然観の重要性が提唱されているが、どのように重要なのか、どのように役立っているか、原子論的自然観が17世紀に勝利して、その後の科学の発展にどのように役立っているかをより明確に確認し理解しておくことが必要なように思います。これは、それほど難しいことではないと思います。