信大理学部CST授業3回目の報告

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3回目の講義
 高校理科教員の絶望的状況をパワーポイントで示しました。高校の理科の教員の9割が自分の授業が大部分の生徒に嫌われているという状態で授業をやっているのです。しかし、高校理科教師の約1割は自分の授業が生徒に好かれています。教育政策を考えるときに理科嫌いが全体の何%などということより、この授業が生徒に好かれている1割の教員が何をやっているかを研究し、そのまねをすることが大切だという話をしました。仮説実験授業をやる教員は生徒に圧倒的に支持されています。そのことは今回の講義を受けたみなさんはそう思うでしょうと言うとうなづいていました。
 まず、前回の《力と運動》の残りの問題をやりました。大粒の雨と小粒の雨の降ってくる速さはどちらが速いかという問題では、大きく予想が分かれ、活発な討論がなされました。
 2コマ目から《不思議な石 石灰石》の授業です。昼休みに、石灰石をバーナーで焼く実験、金属カルシウムを燃やす実験を学生さんたちに実際にやってもらいました。残念だったのは水素を燃やす実験をし忘れたことです。

《不思議な石 石灰石》の授業評価
楽しかったですか。
わかりましたか。
ためになりましたか。
の3項目すべてで全員が5か4の評価をつけてくれました。

《不思議な石 石灰石》の感想・要望・意見

◆ 単純な実験であるがゆえにおもしろい
 複雑な実験するのではなく、単純な実験でもむしろ単純な実験であるがゆえにおもしろい、インパクトがあるというところも目からうろこでした。将来、教員になることが出来たら応用してみたいと思います。

◆よく理解できた
 カルシウムの化合物について、今までよくわかっていなかった部分が実験や観察を通じてよく理解できた。

◆感動しました
 中・高校の時に、教科書では学んだが、実験は行っていないもので、実際に実験できてとてもたのしかった。特に、生石灰が熱を発する実験は感動しました。

◆よい刺激
 とてもよい刺激になりました。前回、前々回と都合上で出られなかったので、もしかしたら、前に説明があったと思われるのですが、これを1時間(1コマ)で行うものなのか、連続でやる者なのか?と思いました。少しの工夫や説明の仕方次第でだいぶ授業が変わるなと思いました。

◆楽しかった
 実験を実際にやれて楽しかったです。

◆生物の仮説実験授業を見たい
 とても楽しい。こうなると生物の仮説実験授業もどのようなものか是非見たい。(生物でやるとどうなるのか、想像出来ない。)授業の中で出るコツやポイント、やってはいけないことや、言わない方がいいことなどは、とても大切だと感じた。また、最後30分の内容は特に現実的に同感できることが多くためになった。仮説実験授業への批判で、反論できないレベルの欠点にはどのようなものがあるのか、批判的な立場の意見を一応もう少し知っておきたい。実際の授業では全て仮説実験授業はできないと思うが、普通の授業をする回とどう上手くつなげるのか知りたかった。実際やってみたいが、そこが最大の不安要因。

◆ボンテンは分子を理解するのに画期的
 楽しそうな生き生きとしたWさんが一番よかったです。これからもWさんの授業を受ける機会が度々あるとよいです。ボンテンは分子を理解するのに画期的だと思いました。仮説実験授業の授業体験は学生さんにとって非常に貴重なよい体験であったろうと思います。いろいろと物をそろえ、喜々として講義をしているWさんの姿は学生さんにとって大いに刺激になったことでしょう。この授業を企画してくれたC先生、ありがとうございました。Wさん、お疲れ様でした。

◆教師として大いに期待
 参加した学生諸君は教師として大いに期待できるように感じました。
                          
《不思議な石 石灰石》の授業は成功でした。

 4コマ目の最後の30分で仮説実験授業の研究論の話をしました。仮説実験授業研究会の規約、仮説実験授業を指導要領に入れようとしない理由、マスコミに売り込まない理由。研究の組織づくりなど。

 つくづく思うのは、今の高校の理科(に限らず)の教員の置かれている状態は、うまくいかないことがはっきりしている運動の指導者と同じ状態であるということです。思い切って方針転換しなければならないのに方針転換できずにいるのは、運動の指導者も授業をする人も同じです。仮説実験授業を学んでやってもらえれば事態は急展開、急速によくなると思うのですが、なかなかそのように判断することが難しいようです。
最後に3回の講義全体の意見を書いてもらいました。

3回の講義全体への意見・感想・要望・評価等

◆貴重な経験
 全12コマ受講させていただき、非常に貴重な経験をさせていただけたことに感謝しております。ありがとうございました。

◆非常にためになった
 学校の授業の中で生徒の関心を引きつけるような科学的な教育の方法が非常にためになりました。また、教育研究の現状や方法についての話はとても興味深く、考えさせられる点も多くありました。3回の講義を通じて、生徒が楽しみながら授業に参加し、科学に興味を持つことができるような授業のできる教員になりたいと強く思いました。

◆生物の仮説実験授業を受けたい
 2回目、3回目しか出てないのですが、とても楽しかったです。ただ、生物の分野がなかったので、少し残念でした。機会があれば生物の仮説実験授業を受けてみたいです。

◆実験に参加できて良かった
 ためになる話がたくさん聞けて面白かったです。また、実験に参加できたのがとても良かったです。

◆生物の仮説実験授業を知りたい
 私は2回目を休んでしまい、第1回、第3回目に参加しての感想です。1回目に気づいたことを書く。水銀を(重いことがわかるように)持たせていただけたことはうれしいが、質問より先に持ってしまったことで「やはり水銀も金属なんだ!」という思いが強くなり、少なからず回答もそれに引っ張られたものになったので、持たせるのは後の方が良いかも知れないと思った。生物での仮説実験授業を知りたいです。1回の高校の授業でどのくらい進めるものか知りたかった。準備はしておいたとしても授業間の10分休憩で用意、撤収できるのもなのか?実際どうやるか聞きたい。

◆支柱ができた
どんな形で、どのような理論のもとに授業を組み立てるのか。学生にとって教育現場での支柱ができたものと思う。