速さを時間の関数として表す意義

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 物理の教科書ではごく当たり前のことのようにv-tグラフが出てきます。しかし、これは多くの人が日常的感覚で考えている速さとはかなり違います。
 図は陸上競技で100メートル走の分析のグラフです。横軸は距離になっています。v-xグラフの方が多くの人にとっては直感的にはわかりやすく感じているのです。100メートル走るとき、
1秒後の速さ、2秒後の速さ、・・・
というより、
10メートルの地点での速さ、20メートルの地点での速さ、・・・
という方がわかるような気がするのだろうと思います。
 ガリレオ・ガリレイの画期的だった点は、速さを距離の関数としてとらえず、速さを時間の関数としてとらえたことだったのだと思います。そのことでガリレオ・ガリレイはそれまでの学者が解くことが出来なかった問題を簡単に解くことができるようになったのです。その事情は『新科学対話』(岩波文庫)に出ています。
 授業でもv-tグラフを当たり前のように教えるのではなく、「v-tグラフで考えることで難しい問題だ急に解けるようになった。v-tグラフという発明は画期的な発明だったのだ」ということを強調して教える必要があると思います。そう教えると生徒は「v-tグラフってすごく便利だな」という感想を言ってくれます。v-tグラフという考え方は初めて知る人にとってすごく新鮮な考え方なのです。