今月の物理問題2

 運動エネルギーを求める方法で、どの教科書でも物が他の物体にぶつかったときにその物体を押しながらどのくらい移動して止まるかで求めている。教科書に載っているのは例では、衝突後2物体は密着したまま移動し、ぶつかられた物体が床との摩擦を受けてやがて静止するという設定になっている。このとき衝突した物体が押す力がした仕事を力×距離から求めている。これが運動エネルギーというわけである。

 しかし、次のような疑問はないのだろうか。
 そのような実験をしたとき2つの物体は必ず密着したまま移動すると言っていいのだろうか。少し考えればわかるとおり、自分よりずっと重い物体にぶつかったとき、その衝突は弾性衝突であれば、跳ね返されてしまう。完全非弾性衝突であれば、くっついてしまう。これでは、それによって求められる「運動エネルギー」が違ってしまうということを心配しなくてよいのだろうか。
 二つの物体の質量比と、衝突の際の跳ね返りの係数によって差が出てくることはないのだろうか。
 また、ぶつかられる物体は地面との間に摩擦があると仮定されているが、その摩擦係数の違いによって結論に差が出てくることはないのだろうか。
教科書の運動エネルギーを求めるやり方ははたして客観的なものと言えるだろうか。都合のいい場合だけにこの式が成り立つというのでは、運動エネルギーは計算の仕方で変わってしまうことになる。運動エネルギーという基本的な物理量がそんなあやふやなことでいいのだろうか。

このようなことを疑問に感じた人はいませんか。

さて、この問題はどう解いたらよいのでしょうか。解答を募集します。