カレールー

 その後、カレーのルーの説明を見ていたら、成分に「牛脂、豚脂の混合物、パーム油」と出ていました。牛脂、豚脂はパルミチン酸、ステアリン酸などの二重結合がない、融点の高い油です。パーム油は調べると、熱帯植物の油でこれも二重結合がない融点の高い油でした。牛脂もパーム油も物質としては同じもののようです。
野菜と肉をよく煮たところにカレールーを入れるととけるのは油脂が融点以上になるからかと思いました。
そこで問題
カレールーの説明では「ルーをとかす」の「とかす」は「溶かす」となっているでしょうか。「融かす」となっているでしょうか。
科学の用語では
「砂糖が水に溶ける」のように水などの溶媒の中に物質の分子(やイオン)がバラバラに分散することを「溶かす」と言い、「氷が融けて水になる」のように固体が温度上昇により液体になることを「融ける」と言って区別しています。
予想
カレールーの説明では
ア、「ルーを溶かす」と書いている。
イ、「ルーを融かす」と書いている。
ウ、「ルーをとかす」と書いている。

結果 
ア、「ルーを溶かす」と書いてありました。
 ルーは油なので水(湯)には溶けません。しかし、100℃なので、融けてしまいます。カレーを作るときはじめに油で炒めますが、これをしないではじめから水で煮たら、カレールーは水と分離してよく混じり合わないのかも知れません。このようなことまで考えてしまうようになったのは、授業書をやったからでしょう。授業書の威力はすごいです。自然に自分で考えるようになってしまうのですから。お説教で「自分で考えろ」と言われても考えられるようにはなりません。創造性教育を主張する人は、仮説実験授業をやることを推奨すべきでしょう。