国民主権の国にするには

牧衷さんの講演の一部を紹介します。
 憲法の議論というのはほんとは何も変えなくても憲法的体制を変えることはできるんです。今の憲法の前文のままだと日本は議会主権の国になってしまいます。前文が読み間違えられやすいから、ちゃんと「act」というところを「行動し」ではなく、「議会を通じて」と字句を直せと。憲法改正になりますね。しかし、そんな字句を変えなくても、国民投票によって法案を否決することもできれば、国民投票によって立法することもできるという条項を、国民投票法に加えれば、憲法の文言を変えなくったっても実質国民主権を確かなものにすることができる。国民投票法の議論の時に、歯がゆくてしょうがなかったのは、そういうことの議論がきちんとされなかったですね。中には「国民投票法憲法改正のためにやるんだから、国民投票法作ること自体に反対だ」という意見もあった。それを通じて国民投票法によって一歩も二歩も前進できるはずの勢力の人たちが、そういうことを言うってのは、情けなくってなんともかんとも、運動論的に言ったら話にならないです。