関良基拓殖大学准教授の講演

  関良基さんの講演会が7月1日13時30分から上田市立図書館2階で開かれました。関さんは『赤松小三郎ともう一つの明治維新』という本を出して、出版社の予想に反してよく売れて、早くも2刷が売り切れ、3刷が売られていました。参加者は60~70人いました
講演は、最初に予想問題が出されました。
 明治維新を日本の植民地化を防いだ快挙として記述している文章が示され、この文章が、左派の文章か、右派の文章かを聞く予想問題です。

参加者の予想分布は左派の文章だと思う人が半数、右派の文章だと思う人も半数と大きく予想が分かれました。
 結果はマルクス主義講座派の歴史学者井上清の文章でした。左派の文章なのに、半数の人はこの文章を右派の人が書いたものだ予想したのです。

 次に示された文章は右派、左派どちらの文章かという予想問題も、予想が分かれましたが、こちらは右派の学者の文章。明治維新の評価は、薩長の活躍により、日本が植民地化されるのを防いだという点では右派も左派も同じ主張をしています。左派の文章と右派の文章を比べるとほとんど違いがありません。関さんは、このような既存の明治維新についての主流派学説の虚構性を順次資料を通じて示していきました。
 政権を握った者が、自分に都合のいいように歴史をねつ造するということは、知っていなければならないことですが、ここまで明治維新について、歴史が捏造されていたとは驚きでした。
ここで問題
  長州藩1863年外国船を砲撃し、翌年その報復として四カ国艦隊(イギリス、アメリカ、フランス、オランダ)が下関と彦島の砲台を砲撃して占拠破壊した。これを下関戦争と言っています。
 このとき長州藩は武器(大砲、鉄砲)は武器をどのように調達したのでしょうか。
予想
 ア、長州藩で武器を製造した。
 イ、以前から持っていた。
 ウ、イギリスから買った。

結果
 実は、長州藩の武器はイギリスから買ったものです。イギリスの主眼は戦争に勝つことより、武器を売ってもうけることだったのです。
 講演後、郷友会の人が当時のイギリスだけでなく、今もクリントン財団やCIAははISと政府軍の両方に武器を売っているということを話していました。歴史の話は現在の話でもあるのです。
関さんは依頼されれば少人数でも講演すると言っていました。