ゴミが出ないシステム

牧衷さんの座談の一部を紹介します。
 売り上げがあがって, なおかつゴミが出ないよってシステムはどうやったら作ることができるか。
 結論を先に申しますと, 事務機メーカーのマネをすればいい。フジゼロックスっていう事務機メーカーがあります。これ, 急成長したんです。ゼロックスっていうのはアメリカの会社でね, フジゼロックスは日本のフジとアメリカのゼロックスの合弁の会社です。そのどちらの親会社も, 凌駕するくらいの勢いでね。
 これはどういう商売の仕方をしたかというと, 事務機ですから, 全部リースなんです。製品を売らない。売らないからどこかの会社でもって, フジゼロックスの機械入れますよって言うとハイッて持っていくでしょ。所有権をフジゼロックスなんです。で, リース料とって, 期間が来たら処理しなくちゃならない義務がありますから。そういうふうにしますと, 中でどれくらい再利用率高めているかというと, 戻って来たやつは, ばらしゃぁ, 使える所がたくさんあるわけです。そのまんま使えるところも。
 だから, そのまま使える所はそのまま使って, バージョン・アップする所はバージョン・アップすりゃあ, バージョン・アップした新型ができるわけです。それをこっち持っていって, 「実はリース量が月々3000円高くなりますけど」っていうと, 絶対これに変えますよ。だからものすごい回転がいい。回転がいいから,生産もどんどんあがる。お客さんの方もそんなに苦労しない。
  車で考えてみてください。10年こわれない車は1度買っちゃったら, 誰が買い換えますか。僕なんかは, あの鉄の塊がほしいわけじゃないよ。あの機能がほしいのよ。だから, 機能を買いましょう。物体は要りません。ということになりゃあ, あの物体はトヨタが売ったらトヨタが引き取らなくちゃならない。トヨタが引き取ったら, 引き取ったものを分解して, ばらして, 使える物は徹底的に再利用しますね。エンジンの鋳物部分なんて, 大体くたばりゃしない。ピストン部分は磨耗しますから, 代えなきゃいけない。ピストン部分の中でもエンジンの油圧部分にはめ込むだけになっているのは, 2度3度はご用に立つに決まってる。そういうところはたくさんあるわけ。シャーシにも。そしたらそのまま再利用できるでしょ。そうすれば資源的にはすごく楽なんですよ。生産もそうですよ。そしてバージョンを変えた新車を消費者にちっとも遠慮することなしに作れるでしょ。