対抗軸の作り方を間違えると負ける

牧衷さんの講演の一部です。
 対抗軸の作り方を間違えるとぼろ負けに負けるよね。「憲法に反するから反対」という言い方をすれば、「憲法の方が現実に合わないんです」と言われちゃうんですから、現実に憲法の方が現実に合わないところはたくさんあるし、現実の憲法は確かにお仕着せの憲法でございまして、ぼくなんかは今の憲法で天気晴朗なんですけど、何となくすわり心地の悪いものなんですね。1945年の段階でアメリカ流の民主主義をボンと押しつけられて、その文化を日本はまだ持っていなかったから、急速に持つ素地はあったからそれ以後の50年でそれが出来上がって行くんですけど、何となくすわり心地の悪い借り物の気がする。やっぱり日本はアメリカみたいに完全なゲゼルシャフトになっていないんです。ゲマインシャフト的なものが残っている。だから何となくすわり心地の悪い、借り衣のような感じを持っている人たちがたくさんいる。これは何も支配者が支配に都合がいいからそういうことを言っているんじゃないんですね。国民全体の中にやっぱりそういうものがある。「その民主主義はおれは嫌いなんだよ」と言われる。正直言ってぼくは1956年1957年からぼくが痛切に感じていることです。その頃民主主義は否定の対象になったんです。だから、それじゃダメだと言うことをぼくらがしきりに言っても、なかなかわかってもらえませんでした。