板倉式発想法の会

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10月16日の板倉式発想法の会に参加しました。今回の予定は仮説実験的認識論の成立についての予定でしたが、板倉さんは急遽鄧小平の研究にのめり込み、その話だけでほとんど終わりました。毛沢東は『実践論』で認識は実践によって成立すると書いているけれど、大躍進の政策を進めたときは仮説実験的認識論はどこかにいってしまった。
もっともあたりまえのことは最もわかりにくいと板倉さん
その例として
①物質不滅の法則
②エネルギー不滅の法則
③仮説実験的認識論
を挙げています。
講演の最後の方で、「技術者は少しずつ改善する。科学者は一気に変えようとして失敗することが多い。」社会も少しずつ変えていくことが肝心で、一気に変えようとしてもうまくいかないし、うまくいっても悲惨な結果になってしまう。確かですね。仮説実験授業の提唱で、仮説実験的認識論は大きく勝利しました。それを普及するにはどうしたらいいでしょうか。一気に変えるには文部省指導要領に入れさせればいいという考え方もありうると思います。そう考える方が普通かも知れません。しかし、板倉さんはそう考えませんでした。徐々に普及させようとしたのです。この判断の仕方は仮説実験的です。仮説実験的認識論を標榜する人が、その考えを普及させようとするときに、仮説実験的でない判断をしてしまうことが十分考えられるのです。仮説実験授業の研究論、運動論のすばらしいところは、その研究の進め方も仮説実験的に進めるべきだとしたところだと思います。
正しいと信じた道を迷わず進んで、その結果が悲惨ということが実際にはたくさんありますね。心して徐々に進むように、していきたいと思います。