勝木先生と歓談2

 勝木渥先生は岡山の出身、旧制第六高等学校出身だそうです。六高といえば、化学史家の山岡望がいたはず。聞いてみると勝木さんの恩師だそうです。勝木さん曰く「山岡望は教師としても抜群」だったそうです。勝木さんが「大学の講義」という言い方でなく、「大学の授業」という言い方を好み、授業の改善に努力してきたこと、その授業を通じて学生が大きく変容したこと、学生との討論を通じて相互に学び合うということを重視するのは、山岡望というとびきりの教師に教わった影響かもしれないと思いました。そう言えば話の中で出てきた話ですが、川勝博さんが高校の教員から香川大学の教授になったとき、川勝さんを軽視するような教授たちもいる中で、川勝さんの授業を受けた大学生、大学院生が急速な変容と成長を見せたことに周囲は驚き、軽視する雰囲気を一変させたということを話していました。大学の授業も誰に教わるかで大違いです。経験的にはみなそれを知っているのですが・・・
もっとも仮説実験授業は誰が教えても一定レベル以上を保証したのですから、仮説実験授業を作り上げたという仕事はやはり大きな仕事だと思います。
山岡望の著書は『化学史伝』『化学史談』などおもしろいものばかりです。『山岡望傳』という本もあります。内田老鶴圃新社の本だと思います。読むのをお勧めします。
山岡望と勝木先生が子弟関係というのは今回の歓談での新発見でした。