牧衷式発想法セミナー企画打合せ

 牧衷式発想法セミナーの企画の打合せをしました。その時の様子を上田仮説サークルで発表しました。その資料を掲載します。対話形式で書かれていますが、架空の対話です。

打合せの目的

── 牧衷さんの会のために、事前打合せを泊り込みでしたそうですね。

── 牧さんに話してもらおうと思っていることと、実際の話がずれてしまい、聞きたい話にならない内に終わってしまうことが多くてなんとなからないかと思っていました。今回事前打合せをして、ずれを少なくしていくことができるのではないかと思ったんです。電話で打合せをするにも1回で2~3時間かかっていました。それならいっそのことこちらから出向いて泊まり込みで打合せをしてみようと思ったのです。
 今回のセミナーではこれまでは話がそれてしまって聞くことができなかった話を是非引き出そうと考えました。牧さんも打合せで「みなさんはどういう話を聞きたいのかな」と言っていました。主催者の役割は参加者の聞きたいことと講師の話したいことを結びつけることです。そのために十分時間をとって打合せをすることが必要だったのです。主催者は出版社の編集者に相当する仕事をしているわけです。
 会場は川崎駅前のホテルメッツ川崎を取りました。川崎で仮説の会があったとき宿泊したホテルで、レストランの食事がすごくおいしかったので選びました。ビジネスホテルだったので向き合って座るところがなく、結果的には打合せに向いていませんでした。すぐ近くにホテル日航があり、そちらの方が打合せには向いているということでした。

打ち合わせの内容と成果

──打合せの内容は

──今回の打合せでやったことは、打合せ、牧さんの本の第9集の編集会議、会の内容と関連した話で、関連した話もなかなかおもしろかったです。打ち合わせそのものが一つの研究会でした。
 「戦後精神とは何か」という話と「連想と比喩メタファー」という話をしてもらえることになったのは、大きな成果だと思います。牧さんは戦前戦後で文学や詩が大きく変わったことをみなあまり指摘していないという意見です。「勤勉と怠惰」というテーマも牧さんとKMさんとのやりとりの話を聞いていて思いついたテーマです。これも打合せなしでは実現しなかったと思います。打合せすると、予期していなかったテーマが浮かび上がってきて、それがなかなか楽しいのです。
 「国民国家の話がよくわからない」という話をしている内に、「国民」という概念の再検討が必要なのだというところに話が行き着きました。牧さんが東大に在学していた時の経済学の試験で「国民経済学とは何か」という問題が出題されたそうです。
 「Commonについての話がまだ不十分だと」いうことから教室における「公」を論じ、上品な人間になれという指導をするという話になりました。

次回まわしになった内容

 音楽についても「ドレミファソラシドがヨーロッパそのものだ」という話、「モーツァルトはしゃれっ気があるが、ベートーベンにはしゃれっ気がない。」「牧さん自身はソナチネ・合唱世代(諸井誠のことば)である」ということなど、音楽についての刺激的な話がありました。授業書「お金と社会」には大きな問題点がある。それは「お金も商品である」ということが抜けていることだというのが牧さんの意見です。

──憲法については
──憲法改正論議は遠のいたから、当面はやらなくてもいいんじゃないかという話になりました。音楽、憲法、社会の科学の授業書の問題点が次回まわしになりました。

──各セミナーのタイトルは牧さんかつけたのですか。
──牧さんがつけたものもあるし、話している中で出てきたタイトルもあります。

──今回の要項はこれまでのものと違うようなきがします。
──違うと思います。この要項を作るために非常に大きなエネルギーを使いました。要項そのものが一つの論文だというつもりで作りました。Tさんにはいろいろ助言してもらいました。打ち合わせそのものが一つの研究会でした。今回の牧衷式発想法の会は非常に充実したものになると思います。今回の打ち合わせそのものもなかなかおもしろかったので、テープ起こししようと思っています。