北信越理科教育研究会(8月5日)の板倉講演の一部を紹介します。
以下講演
古代原子論を受け継いだのはガリレオ・ガリレイです。ガリレオ・ガリレイは最も戦闘的な原子論者でありました。私はガリレオ・ガリレイの原子論を勉強してそれで私の原子論は古代の原子論でありまして、それは易しいんです。もともとはキリスト教に対抗するような原子論なんです。ガリレオ・ガリレイはキリスト教の教えからはみ出るような形で原子論を提出して、それで近代科学を作ったのである。ホントは古代原子論がわからないとガリレオの力学もわからないし、そこからできた物理学もわかりません。
もしみなさんが原子論がよくわからないなら、あんな難しいこと教えることなんかできないと言うならそれは古代原子論についての基本的知識がないからだと思います。そこを勉強し直してほしいと思います。
私が科学教育の研究を始めた頃は、食塩を水に入れて溶かしたとき重さはどうなるかという問題が敗戦直後の理科教育で大きな問題でありました。そういう学力テストなどをたくさんやりましたけれども中学生や高校生ができないんです。なぜできないか。古代原子論を知らないからです。ものを混ぜたときに重さが足し算になるということは一番基本的なことであって、それを知らなければ先に進めないんだ。