秋山郷

日中友好信濃教育会訪中団の一員として5年前に中国視察に行きました。10月8日~9日はその同窓会。長野県栄村秋山郷で開かれました。宿泊場所は秋山郷小赤沢の苗場荘。ゆったりした雰囲気のお勧めの民宿です。34年前、秋山郷の子が飯山に下宿して高校に通っていました。その担任だった私は34年前に秋山郷に家庭訪問に行ったのです。平家の落人が逃げ込んだというだけあって、本当に秘境中の秘境。これならもう源氏も追ってこないだろうと思われるほどの秘境です。車を運転して行って、道の細いところもあり、曲がりくねってアップダウンの激しい地形。果たしてたどり着けるだろうかと心配になりました。今回は実は3回目の秋山郷訪問。2回目は理科の教員の研修で、秋山郷から奥志賀に抜けるルートで植生の観察をしました。3回目なのに、道が細くて大変で、今回も果たして行き着けるかどうか心配になりました。どうにか苗場荘に着いて苗場荘の人に、教え子の名前を言って聞くと、よく知っていました。秋山郷ではすべての人について誰もがよく知っているのです。教え子とそのお母さんとの久々の再会を果たしました。「高校の頃が一番楽しかった。」という言葉を聞いて本当にうれしくなりました。小赤沢という地名を聞いて当時は単純に固有名詞としか思わなかったのですが、牧衷さんの「地名を見るとその場所がどういうところかわかる」という話を思い出して考えてみると、小赤沢というのは赤い沢、すなわち鉄イオンの沢という意味で、ここの温泉は赤茶色なのではないかと予想ができます。その予想を実験的に確かめるために温泉に入りました。赤茶色の温泉です。温泉に貼られている温泉分析表をみると鉄イオン(Ⅱ)が非常に多い。やはり・・・でした。秋山郷には大赤沢という地名もあります。渋谷といえば渋い谷、すなわちアルカリ性の強い水が流れている谷という意味、ということです。地名を聞いたら、地名をつけた人たちの自然観を垣間見ることが出来るように思います。今回、小赤沢という地名から予想されるとおりの結果だったのでおもしろいと思っています。秋山郷では空気、流れている時間が全く異質です。94歳の写真家というおじいさんも泊まっていて、朝撮ったという写真をうれしそうに見せてくれました。今年は紅葉が遅れていて見頃ではありませんでした。見頃は2週間後くらいでしょうか。その頃にも訪ねてみたいものだと思いました。中野豊田インターから約1時間で新潟県津南町まで、そこから秋山郷まで40分です。対向車が来ると困る場所が何箇所もあります。暗くなってから行くのはやめた方がいい道です。初めての人にとってはおっかなびっくりの運転となると思います。3連休のためか観光客はたくさんいました。