産業の寿命

『牧衷連続講座記録集Ⅰ』に「産業の寿命」という牧衷さんの講演が掲載されています。その中で企業の寿命があり、大繁栄した企業も衰退の時期を迎える。その企業も転身に成功すれば生き延びられるという話が出てきます。実際、大学生にとっての人気企業が、その企業の扱っている産業が30年くらい経つと衰退産業になるという場合が多いというのです。実際、鐘紡という超人気企業は繊維ではやっていけなくなりカネボウ化粧品という分野に転身しました。それもうまくいっていないようです。ヤマハはオルガン会社から木造船、ヤマハオートバイ、ヤマハ家具、ヤマハピアノと転身しました。日本航空こそ優良会社の典型で高給を取れる会社でしたが、それも没落しました。3月20日朝日新聞に「食品・化学、製薬に活路」という記事が出ていました。味の素が「味の素製薬」を立ち上げた。協和発酵キリンが血液ガンの治療薬開発のために高崎に研究所開設。世界最大級の抗体医薬品の動物細胞培養装置を設置。帝人ファーマーが痛風治療薬、旭化成骨粗鬆症の薬の開発を始めたそうです。
 牧衷さんの講演で指摘されたことが現実に起こっていることがわかります。今後もニュースに注目していると、類似のことが起きるでしょう。高校生の進路指導ではこういうことを教える必要があると思います。