『新釈現代文』

イメージ 1

 『新釈現代文』という受験参考書が復刊されました。
 この参考書は幻の名著と言われていたものです。私の思い出話をすると、高校生の頃私は国語が苦手で、たまたま書店で発見し、読んで、その結果か模試や校内の実力テストで常によい点をとれるようになりました。苦手教科が得意教科になってしまったのです。著者は亡くなり、出版社(新塔社)は倒産したため、この本を買うことができなくなり、古本屋で1万~3万くらいの値段がついていました。インターネット上にもこの本を読んだときの感激と驚きを書いているブログ等がたくさんあります。私は季節社の中原さんに復刊を勧めていたのですが・・・
 筑摩書房が復刊しました。ちくま学芸文庫で1100円です。この本の前に著者は『現代文の学び方』を書いているそうです。この本を入手したいと思っていますが、未だに入手できずにいます。昔いた高校の図書館にあったのですが、そのときはあまり意識せず、その後問いあわせたら、廃棄処分されていました。残念。
 「たった一つのことしか書いてない」と序文にあります。それだけでも読む価値ありです。私は、受験生時代、苦手だった国語と英語に力を入れている内に国語と英語が得意教科になり、得意だった数学や物理にはあまり時間をかける必要なしとして手抜きしていたら、数学と物理で(相対的に)点が取れないという状態になり、受験勉強の作戦としては失敗だったのかと思います。この本の例題がデカルトの『精神指導の規則』からの出題で、本に沿って熟読していくとデカルトがよくわかり、その後いわゆる「難しい」本を読むのがなんでもなくなったように思います。進路指導で受験生に勧めるといいと思います。ただ、これを読みこなすのは簡単ではないと思います。