地震学会自己批判続報

地震学会の自己批判が続きました。ロバート・ゲラー東大大学院教授の主張も報道されました。今後、地震予知の予算は大幅に削られるのでしょうか。
 
以下新聞記事
 
「大きな敗北」「非常に反省」=予知不可能の意見も―大震災で特別シンポ・地震学会
時事通信 10月15日(土)16時47分配信
 東日本大震災での巨大地震を受け、日本地震学会は15日、地震学や防災上の問題点を話し合う特別シンポジウム「地震学の今を問う」を静岡市内で開いた。マグニチュード(M)9.0という巨大地震を想定できなかったのは「地震学の大きな敗北だ」など、学会では異例の自己批判が相次いだ。
 特別シンポは同学会秋季大会の最終日に開催された。平原和朗会長(京都大大学院教授)が冒頭、「このシンポが地震学会の始まりとなる。忌憚(きたん)ない意見をお願いしたい」とあいさつした。
 政府や研究者の地震予知に否定的な立場のロバート・ゲラー東京大大学院教授は「大震災を受け、地震発生の仕組みの研究や国の地震対策などはリセットするべきだ」と述べた。
 同教授は「東北でM9級の巨大地震があり得るという研究成果はあったが、国や学会で見逃されていた」と強調。地震予知が重視される現状を批判し、「政府が仮定している地震と、実際に発生するものが一致していない。正確かつ識別可能な地震の前兆は存在せず、現時点での予知はできない」と断じた。
 東北大大学院の松沢暢教授は「今回の巨大地震地震学の大きな敗北。海溝付近の地殻変動や過去の巨大地震津波のデータが不足している」と指摘。政府の中央防災会議での議論に関わった同大学院の長谷川昭教授からは「巨大地震をまったく想定できず、非常に反省し、責任を感じる。今後は、学会としてもっと多様な意見を共有するべきだ」との提言が出された。