理科ノート

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愛知県の物理教育研究グループが発行していた雑誌です。熟読しました。三井伸雄さん、川勝博さん、飯田洋治さんらが中心になって発行し、800部くらい出していたそうです。運動論的にすごいことをしていたと思います。発行し売っていました。牧衷さんの助言もあり、定価の決め方は印刷、出版したときにすぐ売れる部数を予測し、そのすぐ売れることで入ってくる金額でかかった経費を支払えるように定価を設定するというのです。素人が考えると全部売れたとき入ってくるお金で元が取れればいいと思いがちですが、そうすると在庫を抱えて苦しむだけでなく、次の号を出す資金がなくて運動として続かないというのです。これには大いに教えられました。その点で行くと上田仮説出版の本の定価は少し安くつけすぎです。その結果、次号を出す資金的余裕がないのです。
理科ノートの1~5は伊藤守さんが復刻印刷してくれました。それを買ったものです。6号7号はどこかにあるはずですが・・・
印象に残った記事
 豆腐作り 飯山照丘高校のとき化学の授業でまねさせてもらいました。とてもいい教材でした。
 粉わさび 粉わさびを氷水、常温の水、熱湯で練ってなめてみるという授業。酵素は100℃では活性を失うということを言葉で説明するよりずっと印象に残る取り組みです。
カマキリと石灰水 カマキリの頭とおなかを石灰水につけるという実験。カマキリには気の毒ですが、カマキリはおなかで呼吸しているのでおなかをつけると石灰水が白濁するけれども、頭をつっこんでも白濁しないというものです。20歳代だった私はこれらの記事に感心しました。今考えてもこういうことが掲載されている研究誌というのはすばらしいと思います。
板倉聖宣さん曰く、「愛知グループは僕の影響を受けているのは、科学教育がそれ自身で一つの研究分野であるという認識で、それがあったから意欲的に教育研究をしたんだ。科学教育研究が科学研究の一分野だとしたらそんなに意欲的になれないからね。」